北海道モビリティカフェにいってきました

2008年10月10日,11日、札幌で開催された北海道モビリティカフェに参加してきました。


札幌駅前。地下街への入り口。

 

最近都心部は駐輪を厳しく取り締まっているそうですが、なかなか減らないのが現状です。
分かりにくいですが、右の方に有る赤い部分が一時利用の駐輪場で、橙色の部分が駐輪禁止対象地区です。


ディスプレイ用の自転車。上の自転車は101万円するそうです。


知事公館内。片岡さんと話ながら歩きました。都心に広い公園があってとても素晴らしいけれど、地元の特に若い人はあまり訪れないそうです。大通りや駅前のデパートに行くことが多いんだとか。自分だったらこの公園でお弁当食べたいと思ってしまうあたりに年を感じましたw


ミニ大通り。並木道の真ん中に歩道があり、それを挟むようにして自転車専用道路があります。さらにその外側に自動車道もありますが、ほとんど自動車は通っていませんでした。都市部で自転車専用道路を整備して行く上で見習うことのできるケースだと思います。


2日目

この日は昨日とは少し違うルートで都心をまわりました。
HMC→北海道庁大通公園→すすき野(自転車をポートに返却)→幌南小学校前(自転車貸出)→豊平川スープカレー屋さん→HMC


北海道旧本庁舎前にて。今では庁舎は別の建物に移転していますが、北海道の公文書館として利用されているらしいです。当時の北海道庁土木課による設計で、調べてみたら今年でちょうど築120年とのこと。


豊平川はサケが上ってくるそうで、ガードにもサケがいました。

豊平川沿いのサイクリングロード。天気がよくなり、絶好のサイクリング日和となりました。

川沿いでは釣り、テニス、野球、パークゴルフを楽しむ人々が。

ところでパークゴルフって知っていますか?北海道で流行っている、小規模なゴルフだそうです。昔パレットゴルフというのをやったことがありますが、あれとは違うのかな?

1983年、「公園で幅広い年代の人ができるスポーツ」として、北海道幕別町で考案される。現在日本全国に、910個のコースがある(2004年3月現在、国際パークゴルフ協会算出)。ルールは、ほぼゴルフと同じ。使われる道具は、専用のクラブ一本とボールとティー。ボールはゴルフボールよりも大きく、ゴムやシリコン製のティーは地面には刺さずに置いてセッティングできる形をしている。

というわけで結構楽しそうです。うちの班に同行してくださった片岡さんも大会に出たことがあるそうです。見事ブービー賞をゲットされたんだとか。次に北海道にいったらやってみたいですね。
↓ここにいろいろ情報がありそう。

奇遇にも途中で見つけた変な看板はパークゴルフ同好会の看板でした。





お昼に立ち寄ったスープカレーのお店。
http://homepage2.nifty.com/yellow-dub/newpage4.html


成果発表


モビリティカフェに戻ってからは短い時間でしたが、チームごとに話し合ってそれぞれのテーマでプランを考えました。
1つ目のチームは、北海道大学内などを走行しお昼ご飯に寿司を食べてきたチームです。実際に北海道大学内でレンタサイクルシステムを提供している研究グループの学生さんたちが主体となって、現状のシステムがどのようにしたら改善されるかということをテーマに発表が行われました。発表に対してはコンビニや駐車場など、民間の土地所有者と共同でポートを展開して行くことの可能性についてなどの意見がありました。

2つ目のチームはモエレ沼公園方面のサイクリングロードを走行してきたチームで、自転車を使った札幌周辺のサイクリングツアープログラムについて発表を行いました。モエレ沼公園は私も冬に訪れましたが、とても開放的な空間で気持ちがよいところです。写真を用いた紹介をみて、緑の広がるモエレ沼公園にも行ってみたかったと強く思いました。先生からはサイクリングロード沿いの空間についての改善案も検討してみてほしいとの意見がありました。

3つ目のチームは都心における自転車ネットワークをデザインして行く上での指針について発表しました。僕はこのチームでした。札幌ではグリッド状の道路網が敷き詰められていますが、その中にも段階があって、太い道、細い道が混ざり合いながらグリッドを形成しています。そこに自転車専用道というハードを整備して行く上では、既存の太い道からずらして新たな自転車専用ネットワークを作ることが重要なんじゃないか、そんなことを提案しました。
また、観光目的で訪れた人にとってレンタサイクルシステムはとても便利ですが、自転車に乗ってどこに行けばいいのか。札幌を囲むようにして円状の自転車道を整備することで、周辺部にある観光資源へのアクセスがしやすくなります。また、とりあえずこれに乗っかって行けばどこかにたどり着ける、という信頼感を持って道を走ることが出来るのではないでしょうか。半径約3kmのコースですので、延長は20km程度になると考えられます。
個人的な意見ですが、もう1つの役割として「札幌」のイメージを強めるエッジとなりうるのではないかということです。例えばパリはBoulevardと呼ばれる元城壁だった部分に作られた環状道路が都市を囲んでおり、この内部がパリである、という明確なイメージが生活者、観光者どちらにも与えられています。グリッドという明確な構造を持つ札幌ですので、こんなことをしてみても面白いのではないかと思いました。
以上のようなことを考えて、1)主に観光者を対象とした2つの環状ネットワーク、2)主に生活者を対象とした都心部のグリッドネットワークを提案しました。
そして自転車ネットワークのノードとなるポートについてですが、レンタサイクルポートを他の公共交通との結節点に配置すること、そして駐輪場の広い分布を促すことを提案しました。地下鉄駅や市電の駅のような場所と自転車道が交わるところにポートを配置することは必至であると思います。他の交通手段と組み合わせることで、自転車に乗りたいところだけは乗る、例えば雨の日に市電で出かけたけれど途中で雨が止んだので自転車に乗り換えてしまおう、といったような贅沢な移動を楽しんでもいいのではないでしょうか。(このアイディアは渡辺さんのものです)

感想

全体的な所感としては、札幌はとても暮らしやすそうだなという印象を受けました。東京はなんだかんだいって坂がとても多い。個人的には、自転車にとって勾配の有無はかなり重要な要素だと思います。平坦な札幌の市街地は端から端まで自転車で走っても苦にならないくらいでした。
また、今回の実験に用いる自転車を提供してくださった小野さんがおっしゃっていましたが、「もっといい自転車に乗ってみてください」が大事だと思います。僕も自転車が好きになったのは高1の時に札幌から秋田まで先輩のロードレーサーを借りて走ったときでした。廉価の自転車を短いサイクルで買って捨てて、ではなく、初期投資は高くともそれを丁寧に扱い、修理して使っていくことの方が結果として得られるものが大きい気がします。