マタギ資料館

同じく境内にあるのがマタギ資料館。ここは本当にすごかった。
以下メモ。

  • 又のある木を持ち歩くから or アイヌ語のマタウンパ が語源
  • 複数人数(約10名)でチームを組み、熊などの獲物を狙う狩猟集団。
  • 山に入る前、獲物の皮を剥ぐ前など様々な場面においてイニシエーションが存在する。サンスクリット語の呪文を唱える。
  • 山の中では下界の言葉は使わず、マタギの言葉を用いて会話する。
  • 山では酒タバコ歌あくび口笛拍手禁止。
  • 自分が見た夢の話は人にしてはいけない。
  • 日光山流派と高野山流派に分かれる。

現在では、マタギと呼ばれる人はもう残っていない。みなハンターになってしまったそう。山は神の住む場所、で、そこへ立ち入り、殺生を行い、それを下界へ持ち込む、ということで、当時の宗教観の下で担う職としてはかなり壮絶な背景を持っていた。彼らの技術はチームごとに山立根本之巻と呼ばれる一子相伝の秘伝書を持って、伝えられて行った。彼らがしとめる熊から採れる胆は医学的に貴重な材料で、当時は同じ重さの金と等価、ものによっては10倍の価値を持っていたそうである。


食料の調達というきわめて実用的な技術と、厳格な宗教儀式が同時に行われるマタギの狩り。環境問題と技術進化のもつもやもやしたところに対するひとつの答えな気がした(あくまで妄想)